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【コラム】宮崎壮玄の中国一刀両断 − 第4回「中国で加熱するネット生放送」

· Column

 昨年2016年は中国の「ネット生放送元年」と言われていました。ネット生放送が今では一大ジャンルになって、ネットタレントからテレビ局までもが争って生放送番組を配信しています。ネット生放送では、視聴者がリアルマネーを使って放送主へ換金可能なプレゼントを贈る機能が備え付けられています。中国の動画投稿サイトは動画内での広告が主で、Youtuberとは違って、再生回数に対する収入がもらえるビジネスモデルは確立されていません。背景には各動画プラットフォームが再生回数を水増ししたり、所属下のネットタレントの動画をトップ画面に優先表示したりというロジックがあるのですが、それと対照的に生放送は視聴者数にかかわらず、視聴者が送ったプレゼントが収入になるという分かりやすいモデルになっています。そう言った番組を放送するプラットフォーム、日本でいうところのAbemaTVや、LINE LIVEのようなものが200ほど中国では存在し、しのぎを削っています。「生放送をやりたいけどどこのプラットフォームを選べばいいかわからない」という声を日本人の方からよく聞くので、今回は中国の生放送プラットフォームについて簡単に紹介したいと思います。

 

 中国の生放送プラットフォームは大きく3つに分けることができます。ひとつ目は、テレビ局のように色々な番組を流している総合プラットフォームです。ふたつ目は、ゲームを遊んでいる様子を主に流すゲームプラットフォーム。最後は、ECに特化したプラットフォームです。

 

 総合プラットフォームでは、中国のアイドルや俳優から、インターネットアイドル、一般人が様々な内容の生放送を行っています。かなり数がありますが、1日当たりのアクティブユーザーが200万人を超える最大手プラットフォームになると数は限られます。一直播(イージーボー)、映客(インカ―)、YY(ワイワイ)、それから200万人には少し届きませんが、花椒(ホォワジャオ)の四つがポピュラーなプラットフォームです。もちろんそれぞれ特徴があって、一直播は中国最大のSNS、新浪微博(Weibo)と協力関係にあって、新浪微博から直接生放送を見ることができます。ユーザーの90パーセント近くが新浪微博で、オリジナルユーザーは10パーセントしかいません。つまり新浪微博と合わせての運用が必須だと言えます。YYは中国ライブプラットフォームの再老舗で、時代の流れとともにパソコンからスマートフォンへと視聴デバイスを変化させてきました。映客と花椒は似たようなスマートフォン視聴型のプラットフォームですが、映客は生放送主がもらったプレゼント額の最大37.5パーセントを天引きする(生放送主の階級によって、減額される)のに対して、花椒は10パーセントを天引きするシステムになっているので要注意です。

 

 ふたつ目のゲームを主なコンテンツにしたプラットフォームでアクティブユーザー数が200万を超えるのはゲームプラットフォーム最大手の闘魚(DOUYU)、それから龍珠(ロンジュー)、虎牙(フーヤー)、熊猫(PANDA TV)です。これらは総合プラットフォームと比べると、パソコンでの視聴形式が多いです。しかし、スマートフォンの普及に伴って、ユーザーの半分以上がパソコンで視聴しているプラットフォームはこのなかでは龍珠(ロンジュー)だけになってしまいました。去年の後半から、これらゲームプラットフォームも総合プラットフォームのように、多種多様な番組を配信するようになりました。ただし、もともとゲームプラットフォームであるという点だけは注意が必要です。

 

 最後のECプラットフォームとしては、淘宝(タオバオ)直播が挙げられます。これは、生放送画面から直接中国最大のネットショッピングサイト、タオバオの店舗商品を購入できる点が特長です。日本や自社商品を売りたい!という方は挑戦してみるのもいいと思います。ただ、視聴するファンは(1)視聴者が生放送主のファンであり、かつその生放送主が商品を頻繁に宣伝することが彼らに周知である、もしくは(2)商品をその生放送主配信者から購入するメリットが存在、という点がない限りなかなか購入まで結びつかないので注意が必要です。

 

 最後に、今年の2017年1月1日から生放送に関する規則が厳しくなり、中国のIDを使った本名でのユーザー登録や、プレゼントを換金したお金の銀行口座登録、内容の制限など、生放送プラットフォームや生放送主に対する要求が多くなりました。日本から生放送を配信してみたい、日本人で生放送主として情報発信したいという方には複雑で敷居が高いかもしれません。更に細かいことはoffice339まで問い合わせしていただけると、具体的にアドバイスすることもできます。うまく使いこなすことができればリアルタイムで視聴者と連動できるネット生放送は重要な武器になるとともに、これからますます盛り上がっていくこと間違いなしです。

 

宮崎壮玄

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